後悔しない自分なりの死に方

椎名和人♂ しいな かずと
兄、社会人、割と人生を謳歌してきたタイプ。
真面目だけど跳ね返りのある性格。


椎名ひより♀ しいな ひより
妹、大学生、反抗期時代はグレてたタイプ。
意地っ張りで強がりで気にしい。


和人♂:
ひより♀:



和人「明日、どう足掻いても世界は滅んでしまうらしい。
   全世界の全人類がそれを知ってしまったから今何もかもが滅茶苦茶だ。
   実は我が家もとんでもない事になっていて、
   母さんは死ぬならあの人と一緒に死にたいとか言って家を飛び出すし、
   父さんは父さんで社員の安全を確保しなきゃって駆けずり回ってる。
   みんな自分なりの最期を必死に探してるみたいだ。
   俺か?俺はというと・・・」

ひより「呆れた、まだマンガ読んでるの?」

和人「うぉ!?ひ、ひより!?お前いたのか!」

ひより「悪い?」

和人「いや悪かねぇけどさ、お前彼氏はよかったのかよ」

ひより「あぁ、今朝別れたから大丈夫」

和人「はぁ!?おま、この世界が滅ぶかもって時になんで!?」

ひより「連絡したらさぁ、俺、最期はダチと過ごすから、なんて言うからさ、
    それじゃ私たち別れましょって返したら、あっさり承諾されちゃった」

和人「うわぁ・・・」

ひより「そういう訳で、出かけましょ、和人」

和人「えぇー、まだ積みマンガ消化してねぇもん」

ひより「今何読んでんの?」

和人「魔界英雄譚 光の向こう側へ 25巻」

ひより「あぁそれね、実はリョーコが生きてて仲間になる」

和人「はぁ!?」

ひより「黒幕はジョージ」

和人「はぁああああああ!?何で知ってんだ!ってかさらっとネタバレしてんじゃねぇよ!」

ひより「ほら、結末も分かったんだし、出かけるわよ」

和人「いいや、結末はまだ分かっちゃいないね、黒幕が分かっただけだ」

ひより「ジョージ戦で絶体絶命に陥った仲間たち、そこでアイが真の力を解放し・・・」

和人「あー!それ以上は止めろー!止めてくれー!」

ひより「どう?結末に予想はついた?」

和人「ついた、うわー、マジかぁ・・・、そうなるのかぁ・・・」

ひより「さっ、出かけましょ」

和人「くそー、その前に何でお前がラスト知ってるか教えろよー」

ひより「折角タダで読める本がこんなに沢山あるんだから読まない手はないじゃない?」

和人「おまっ、俺の本勝手に読んでたのか・・・!」

ひより「和人だって私の本読むでしょ?」

和人「ちゃんと許可とってな」

ひより「私だってちゃんと断り入れてるわよ、読むねーって」

和人「俺がいない所でか?」

ひより「もちろん」

和人「お前は兄貴の部屋を何だと思ってんだ・・・」

ひより「漫喫」

和人「あぁ、我が妹ながら可愛くねぇ・・・!」

ひより「可愛くなくてすいませんでしたねー、で、出掛けるの出掛けないの?」

和人「わぁったよ、付き合ってやるよ、んで、どこ行きたいんだ?」

ひより「映画館、チケットがあるのよ、2人分ね」

和人「へぇ、なんて奴?」

ひより「君と生きる明日っていうの」

和人「世界が終わるって言うのに皮肉なタイトルだな・・・、
   って、もしかしなくてもそれさ」

ひより「うん、ラブストーリー」

和人「おめぇ俺がそういうのダメだって知ってんだろ!?」

ひより「食わず嫌いだってこともね」

和人「更にそれ、彼氏と見に行く予定だったヤツだな!」

ひより「正確には元彼かな」

和人「そんなんどうでもいいわ!悲しくないのかよ、
   彼氏の代わりにお兄ちゃんとラブストーリー見るの」

ひより「我が兄貴が自分のことお兄ちゃんって言ってる方が悲しいわよ」

和人「うがー!ああ言えばこう言う!」

ひより「で、行くの?行かないの?」

和人「はぁ・・・、行くよ・・・、ここで押し問答しててもしょうがねぇや」

ひより「ふふっ、ありがと、それじゃ行きましょう」

和人「おう、さぁって上演してるといいなぁ、映画」

ひより「それなら確認済み、平常運転だって」

和人「抜かりねぇな」

ひより「任せて」

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和人「動いてるもんだなぁ、電車」

ひより「他のみんなも結構いつも通り動いてるんだねぇ」

和人「ウチの親が特殊だったのかねぇ」

ひより「まぁ急に明日世界が滅ぶって言われて
    どうしたらいいか分からない人も沢山いるんだろうね」

和人「遣り残したことやるっても、今日の今日に出来ることなんて限られてるしなぁ」

ひより「嘘かもしれないし一応学校いっとこうかなぁって感じか」

和人「そんな感じ、まぁ俺は会社サボったけど」

ひより「無断欠勤?」

和人「一応断り入れた、他にも結構いたみたいでお咎めなし」

ひより「あはは、みんな考えることは一緒なのね」

和人「本当に最期の1日だとしたら働きたくはないって」

ひより「それもそうだ、そしたら働いてる人たちには感謝しなきゃ」

和人「こんな日でも普通に出かけられるんだもんな」

ひより「明日も普通に日常が続いたらどうなる事やらだ」

和人「明日は世界が滅ぶんだ、それでいいじゃん?」

ひより「ふふっ、そうだね、明日で全部おしまいーってね」

和人「おぅ、さぁって着いたな、何番のシアター?」

ひより「えーっと4番だって」

和人「4番ね、あー、見たくないぞー」

ひより「はいはい、行くよー」

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和人「ぐすっ、いい、話だったなぁ・・・!」

ひより「ちょっと、いい加減泣き止んでよ、みっともない」

和人「お前はなんとも思わなかったのかよぉ!」

ひより「面白かったなぁっとは思うけど、号泣するほどじゃあ・・・」

和人「我が妹には血も涙もなかったのか!」

ひより「こんな兄貴を持ったことなら泣きたいかな」

和人「しどい・・・!」

ひより「酷くない、よかったでしょ、ラブストーリー」

和人「よくない!」

ひより「は?」

和人「俺は悔しい・・・」

ひより「な、何が?」

和人「作り手どもの思惑にまんまと乗ってしまってることがだ!」

ひより「あーね・・・」

和人「見てる人を泣かせようとしてるのがバレバレだって言うのに、
   誰よりもそれに引っかかってしまう自分が悔しいー!」

ひより「まぁなんとなくこうなるだろうなぁっとは思ってたけどねぇ」

和人「分かってて誘ったのか!鬼か、鬼なのか!」

ひより「ふふっ、でも面白かったでしょ?」

和人「それは認めよう・・・」

ひより「なら良いじゃん」

和人「それとこれとは話が別なんだ」

ひより「はいはい、で、この後どうする?」

和人「あー、なんだ、決めてなかったのか」

ひより「最期の日になるかもしれないんだし、私のプランばっかりじゃあれでしょ?」

和人「ありがたい気遣いだねぇ、
   かと言って俺も特に予定がある訳じゃなかったしなぁ、
   なんか近くでイベントやってねぇか調べてみるか・・・、お」

ひより「なんかやってた?」

和人「お前確かマサト好きだったよな?」

ひより「もしかしてマサトがライブやるの!?」

和人「あ、あぁ、アヤノと」

ひより「・・・え、なんでアヤノと?」

和人「そんなリアクションするんだな・・・」

ひより「え、するでしょ?ってそんな事どうでもよくて、なんでアヤノと?」

和人「さぁ?隣駅の公園でやるらしいけど」

ひより「あのでかい野外ステージある所だよね」

和人「そうそう、SNSで本人の公式アカが発信してたから間違いないと思うぜ」

ひより「えぇー・・・、あそこ事務所も仲悪いのになんでだろ・・・」

和人「あー、そういえば先月の週刊誌に・・・」

ひより「あれは事実無根だって言ってたでしょ」

和人「お、おぅ、確か」

ひより「だから、あれは、関係ない」

和人「わ、分かったよ、で、見に行く?」

ひより「いいの!?」

和人「これで嘘だよーって言ったら」

ひより「明日が来る前に和人を殺す」

和人「縁起でもねぇ!」

ひより「それじゃ行こー!」

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和人「いやぁ・・・、凄かったなぁ・・・」

ひより「うん・・・」

和人「まさか、本当だったとは・・・」

ひより「あんなの嘘だよ!きっと明日にはドッキリでしたー!って!」

和人「残念ながら明日は来ない」

ひより「あー!」

和人「これが現実だ、諦めろ」

ひより「どうせ明日死ぬなら最期まで知らずにいたかったなぁ・・・」

和人「でも結構お似合いだと思うけどなぁ、イケメンアイドルと可愛いアイドル」

ひより「いいや釣り合わないね、マサトに釣り合う女がいる訳ないの!」

和人「かっこよすぎるって不憫だな・・・」

ひより「そういう所も彼の魅力でしょ」

和人「なるほど、そういう方が女性受けするのか・・・」

ひより「和人は女心を分かってないなぁ、だから彼女出来ないんだよ」

和人「それは関係ねぇ!」

ひより「あはは!それじゃこの話はおしまい、そろそろご飯食べる?」

和人「んだなぁ、っても周り結構シャッターしまってるな」

ひより「みんな家族とか恋人と過ごすんだろうねぇ」

和人「なんだぁ?彼氏と別れたこと今更後悔か?」

ひより「する訳ないじゃない、和人と遊ぶの思ってたより楽しいし」

和人「思ってたよりって、また一言多い・・・」

ひより「褒めてる褒めてる」

和人「はいはい、あー、そんじゃあれだ、適当にコンビニで飯買って、
   秘密基地行くか?」

ひより「秘密基地・・・」

和人「あ、もしかしてお前覚えてないか」

ひより「覚えてるよ、でも、もう残ってないじゃない、それに入れるかどうか・・・」

和人「いけるいける、あのビルの鍵なら持ってる、ほれ」

ひより「っと、本当だ、親父に作ってもらったの?」

和人「あっははは!勝手に作った!」

ひより「ちょっと、会社の鍵勝手に複製したら怒られるじゃ済まないでしょ!
    しかもあのビルの屋上、立ち入り禁止なんだよ?」

和人「大丈夫だって、どうせ明日世界も終わるんだ、そしたら時効っしょ」

ひより「そりゃそうだけど」

和人「それに多分今日は開いてるよ」

ひより「なんで?」

和人「親父のあの様子だと、鍵閉め忘れてるんじゃないかなぁって」

ひより「あ・・・」

和人「だろ?」

ひより「うん、そんな気がする」

和人「そんじゃ行こうぜ」

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ひより「今更そんな事言われても戻るわけないでしょ、
    勝手だと思わないの?」

和人「・・・電話、なげぇなぁあいつ」

ひより「とにかくもう私はより戻すつもりないから、じゃあね」

和人「お、おかえり、終わったか」

ひより「うん、友達みんな家帰っちゃったから寂しいんだってさ」

和人「あー、計画性ないヤツだ」

ひより「ほんとそれ、携帯の電源切っちゃお」

和人「あっはは、他に連絡してくる奴いたらどーすんだよ」

ひより「おかんも親父も着信拒否してるし、こないこない」

和人「友達は?」

ひより「みんな彼氏と一緒じゃない?」

和人「寂しい奴だなぁ」

ひより「和人だって1人だったじゃない」

和人「そりゃ、俺のダチは家庭持ってる奴ばっかりだからなぁ」

ひより「そっか、それは誘いづらいわね」

和人「だろ、だから俺は遠慮して家でマンガ読んでたわけ」

ひより「・・・私にも?」

和人「あー?」

ひより「私にも彼氏いたから遠慮してた?」

和人「あー、まぁ」

ひより「ふふっ、そっか」

和人「なんだよ?」

ひより「なんでも」

和人「変な奴」

ひより「自分でも思うわ、あー気持ちわる」

和人「つわりか?」

ひより「バカ」

和人「おう、そうだな」

ひより「なにそれ」

和人「さぁな」

ひより「変なの」

和人「あっははは、自分でも思うわ」

ひより「ちょっと、真似しないでくれる?」

和人「気のせいだ」

ひより「はぁ・・・、そういえば・・・」

和人「んー?」

ひより「なんでここなの?」

和人「見てみろよ」

ひより「え?」

和人「景色、綺麗だと思わねぇ?」

ひより「・・・本当だ、知らなかった」

和人「でも今日は光、やっぱり少ないなぁ」

ひより「いつもはもっと明るい?」

和人「あぁ、一家団欒の明かり、残業の明かり、車のライト、
   いつもはもっと色んな光があるんだよ」

ひより「へぇー・・・」

和人「ちょっと、寂しいな」

ひより「そうだね、でもみんな楽しく出かけてるって考えたらそうでもないんじゃない?」

和人「世界が滅亡するって決まらないと遊べない国なんだぜ、日本」

ひより「そういう言い方しない」

和人「でもそうだろ?」

ひより「まぁ・・・、そうね」

和人「・・・明日さ」

ひより「ん?」

和人「本当に世界滅ぶのかねぇ」

ひより「和人はどうなって欲しいの?」

和人「俺?俺はどっちでもいい」

ひより「どっちでもいい?」

和人「あぁ、なんも無いなら会社行くし、
   みんな揃って仲良く滅ぶんなら、別にいい」

ひより「そっか」

和人「ひよりは?」

ひより「私は・・・、怖いかなぁ」

和人「お前にも怖いもんあったんだなぁ」

ひより「ちゃかさないでよ」

和人「すまん」

ひより「はぁ・・・、だってさ、どうやって滅ぶか分からないじゃない」

和人「あー、そうだな、俺は隕石が振ってくるとか地球が割れるとかそんなのイメージしてたけど」

ひより「もしそうだったらすぐは死なないわよ?」

和人「まずは津波が来てー、地割れがあってー」

ひより「あーやめてやめて」

和人「あっははは、ごめんごめん、でもそっか、痛いのとか苦しいのは嫌だなぁ」

ひより「でしょ?」

和人「・・・あいつ、怒るかなぁ」

ひより「え?」

和人「彼方(かなた)だよ、怒ると思う?」

ひより「和人、まだ引きずってるの?」

和人「引きずってねぇよ、吹っ切れてる、
   でもこれから同じ所行くわけじゃん」

ひより「やっぱり引きずってる」

和人「はいはい、じゃあそういう事にしときますよー」

ひより「和人にはもったいない人だったね」

和人「良い女だったよなぁ、あいつ」

ひより「あんなお姉さん欲しかったなぁ」

和人「死んでなけりゃそうなる予定だったんだ、やめとけ」

ひより「・・・だから彼女作らなかったの?」

和人「あいつさぁ、私より良い人見つけたら大切にしてあげてねとか言って死ぬんだぞ、
   そりゃ彼女出来ねぇよ、あいつより良い女そうそう会えるかよ」

ひより「・・・なるほどね、どうりで」

和人「そういう事だ」

ひより「そういうの引きずるって言うんだよ?」

和人「うるさい、良い女に出会えなかっただけだ」

ひより「はいはい、それで、なんで彼方さんに怒られるのよ」

和人「ほら、他の人よりちょっと早くあの世に行ったら怒られるかなぁって」

ひより「・・・どういう事?」

和人「さて、今いるのはビルの屋上です」

ひより「はい」

和人「何階建てでしたっけ?」

ひより「19階、でしょ」

和人「その通り、高さは大体57メートルですね」

ひより「それが、どうしたの?」

和人「この高さから落ちて生き残った例って殆ど無いんだって」

ひより「・・・そ、そう」

和人「ほぼ即死なら痛くないのかなぁって」

ひより「でも、怖くない?」

和人「その一歩を踏み出せばあとは一瞬!」

ひより「なんで死ぬことにそんな前向きなの・・・」

和人「俺の夢ってさ」

ひより「ゆ、夢?」

和人「自分の子供や孫と、お前の子供と孫に囲まれて、
   大団円迎えることだったんだよねぇ」

ひより「私の、孫・・・?」

和人「年近いし、俺が老衰する頃にはいるだろ?」

ひより「あぁ、そうね、でも私が先に死んでたかもよ?」

和人「だから夢だって言ってるだろ、ってかお前も生きて見取ってくれよ」

ひより「そんな先の話知らないわよ」

和人「確かにそうだ、まぁ実際どうかはいいんだ、夢なんだから、見るだけタダだろ」

ひより「そうね」

和人「それもさぁ、明日世界が滅ぶなら見果てぬ夢じゃん、
   なら今日死ぬのも明日死ぬのも変わんないかなぁって」

ひより「・・・なんで急に?」

和人「世界に殺されるくらいならさ、俺が殺してやるよ」

ひより「え?」

和人「なーんてな、いっせーのーでで死ぬのもいいけどさ、
   思惑通りになるのってイヤじゃん?」

ひより「思惑って、自然現象で死ぬんでしょ、誰の思惑もないじゃん」

和人「今日さ、近年最低の自殺数らしいよ」

ひより「・・・そうなの?」

和人「ほら、あそこのビルモニターのニュースでやってる」

ひより「よく見てるわね・・・」

和人「まぁさっきトイレ行った時に携帯でも見たんだけどさ」

ひより「小にしては長いなぁっと思ったんだ」

和人「悪い悪い、でもこれってさ、色んな陰謀があるんじゃないかって思ったんだよ」

ひより「最期の日くらい良いニュースばっかりにしたいから隠してるってこと?」

和人「あー、そっちもあるなぁ、でも俺が思ったのは、最期の日くらい悔いなく幸せに生きろよ、
   って事なんじゃないかなぁって」

ひより「ふふっ、和人らしい」

和人「だから、逆らってやるのも面白そうだなって」

ひより「そうだね、面白そうじゃん」

和人「よっし、そうと決まれば、行こうぜ」

ひより「も、もう?」

和人「24時ぴったりに滅んだらどうすんだよ」

ひより「それもそうか・・・」

和人「ほら、掴めよ」

ひより「・・・うん」

和人「ガキの頃ここに忍び込んだ時は怖くて端っこまで行けなかったからなぁ」

ひより「私なんてここに来るのだって怖かったわよ」

和人「あはは、最初は反抗期来る前だったしな」

ひより「誰も行かない場所に秘密基地作りたいって言ったらこんな所連れてくるんだもの」

和人「しばらくばれなかったろ?」

ひより「そーね」

和人「さぁて新たな扉が近付いてきました」

ひより「断崖絶壁しか見えないけど」

和人「そうともいう」

ひより「そうとしか言わない」

和人「あはは、柵すらねぇからな、色んな所から怒られてしまえ」

ひより「あっははは!明日滅んでなかったら凄いことになるだろうね」

和人「良い気味だ」

ひより「ははっ・・・、ありがと、お兄ちゃん」

和人「あ?なんか言ったか?」

ひより「なんでもない!」

和人「変な奴ー」

ひより「自分でもそう思う」

和人「・・・さぁ!端っこだ!」

ひより「うわ、途中で引っかかる場所全然ない」

和人「無い方がいいの、中途半端だと逆に辛いからな」

ひより「そうね、それじゃ、行く?」

和人「あぁ、願わくは、痛み無く逝けます様に、よーし」

ひより「ま、待って、か、カウントダウンしようカウントダウン」

和人「お、いいなそれ、10からでいいか?」

ひより「長い、3からで」

和人「よし、それじゃ行くぞ!」

ひより「うん!」

和人「3!」

ひより「2!」

和人・ひより「1!」





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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w